■ワルキューレ

■作曲:R・ワーグナー,指揮:J・レヴァイン,演出:R・ルパージュ,出演:B・ターフェル,J・カウフマン,D・ヴォイド
■東劇,2012.8.11.-17(MET2011.5.14収録)
■ヴォータンが饒舌過ぎるわね。 これは登場人物の多くに当てはまるの。 過去を抱え込んだので説明が増えてしまったのよ。 幕が開いてジークムントとジークリンデ、フンディングのセリフのやり取りも長過ぎる。 下手な芝居をみているようだわ。
でもフリッカは存在感があった。 しかもエルダとジーク兄妹の母が登場しなかったことでやりたい放題ね。 ヴォータンが「神より自由な者がお前を助けるだろう」とブリュンヒルデに言う科白から神々の苦悩が一番表れている作品かも。
でも「ラインの黄金」のような劇的さがみえない。 先にも言ったように肝心の場面で説明の台詞が多く入り過ぎたから。 そして終幕ターフェルの歌唱力に疲れが出てしまったことも。 カウフマン、ヴォイドは声はいいけど演技が緩いし・・。
4夜を通してみると長編小説を読み終えた時と同じ感動かしら。 19時間の上演も長かった。 人間の喜びや苦悩がどこから来るのか、歌唱と音楽を通してゆっくりとした流れのなかで表現されていたからだとおもう。
*METライブビューイング2010
*作品サイト、https://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2010-11/#program_12