■かもめ

■作:A・チェーホフ,脚本:アーニャ・リース,演出:ジェイミー・ロイド,出演:エミリア・クラーク,トム・リース・ハリーズ,ダニエル・モンクス他
■TOHOシネマズ日本橋,2023.2.10-(ハロルド・ピンター劇場,2022収録)
■満席・・! 東京はここでしか上映していないからでしょう。 舞台には椅子に座っている裸足の役者が10人。 彼らは椅子を動かして場面を作っていく。 演技の無い者は無言で座っています。
時は現代。 椅子に座っていて動きが少ないため静かな緊張感が漂います。 でも科白は一言多いように聞こえる。 その一言は心情のもう一歩を曝け出す。 これが物語を分かり易くしています。 解説に聞こえてしまうときもある。 作品の謎が言語化されてちょっと寂しい。 それでも<チェーホフ>は心に届きました。 ところで科白の一端から彼らの居場所、つまり湖畔や取り巻く社会がハッキリ見えてくるのが面白かった。 
同演出家の「シラノ・ド・ベルジュラック」を思い出してしまった。 今回もですが、彼の舞台構成は気に入っています。 途中20分の休息が入ったが後半は30分くらいで終わってしまった(?)。 リズムに乗れないまま中途半端な終わり方を強いられた。 休息抜きで一気通貫しないと作品の面白さは半減です。
*NTLナショナル・シアター・ライブ2023シーズン作品