■能楽堂二月「吹取」「鵜飼」

*国立能楽堂企画公演の□2舞台を観る.
□狂言・大蔵流・吹取■出演:善竹大二郎,善竹十郎,大藏教義ほか
□能・観世流・鵜飼■出演:観世銕之丞,森常好,舘田善博ほか
■国立能楽堂,2023.2.23
■「吹取」は先日観た「釣針」と同じ妻乞話である。 醜女はいつの時代にも損をする。 本日は蝋燭の灯りによる公演だ。 「鵜飼」は篝火として似合うだろう。 <鵜ノ段>は思った以上に力強い動作が続く。 波に乗る心地よさ、鵜を操る面白さ、その漁仕事が想像できる。 観後に手元の川合玉堂「鵜飼」をじっくり見入ってしまった。
面は前シテが三光尉(さんこうじょう)、後シテは小癋見(こべしみ)。 後者は世阿弥が選んだそうだが物語に馴染まない。 日蓮宗の雰囲気は漂っていた。
舞台が暗いので役者の表情が始終ボヤケていた。 心情場面に入ると想像力が一挙に減衰する。 蝋燭能に慣れていないのかもしれない。 現代が明る過ぎるのだ。