■めぐりあう時間たち

■作曲:ケヴィン・プッツ,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,演出:フェリム・マクダーモット,出演:ルネ・フレミング,ケリー・オハラ,ジョイス・ディドナート他
■東劇,2023.2.3-9(METメトロポリタン歌劇場,2022.12.10収録)
■ヴァージニア・ウルフ「ダロウェイ夫人」をネストしている劇中劇かな? 原作も「ダロウェイ夫人」も読んでいない。 原作映画も「ダロウェイ夫人」の映画も観ていない。 でも沢山の情報は今も飛び交っているわね。
1923年のヴァージニア・ウルフ、1951年の主婦ローラ、2001年の編集者クラリッサの三人の、ある一日を描いた舞台なの。
三人の憂鬱な意識の流れを如何に表現するのか? 美術・照明や合唱・ダンスを総動員してこれを達成している。 もちろん「歌手の歌い方と演技は気にした・・」と作曲家(演出家?)は話している。 しかも舞台は原作と違い3人の同時進行ができる。 特に歌唱はスーパーポジションが可能だからよ。
やはりクラリッサ役フレミングが一番目立ったかな? 20世紀末の雰囲気が漂っていた。 ローラ役オハラの50年代ディズニー風も適役だった。 でもウルフと20年代は繋がらない。 ウルフその人に焦点を絞り過ぎたから。 ディドナートも質素な衣装を嫌厭していたわね。
時代を乗り越えて3人の生き方が一つの形となって立ち現れる。 ここがクライマクスのはず。 演奏は心模様を強調していたが、歌唱はソプラノ系が占めたので変化の楽しさは少ない。 3人を主役にする難しさが出ていた、それでも巧く熟していたと思う。 METの総合力の強さと新作への意欲に拍手!
*METライブビューイング2022シーズン作品
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、マクダーモット ・・検索結果は4舞台.