■能楽堂二月「子盗人」「項羽」

*国立能楽堂二月定例公演の□2舞台を観る.
□狂言・大蔵流・子盗人■出演:大藏彌右衛門,大藏彌太郎,大藏教義
□能・観世流・項羽■出演:浅見重好,坂井音晴,福王知登ほか
■国立能楽堂,2023.2.15
■「項羽」は五番目物(切能)に分類すると手引に書いてあった。 詞章を読んでいる時はそう感じられない。
劉邦との戦い場面は圧倒される。 高楼から身投げした虞氏を探す項羽の姿、「あはれ苦しき瞋恚(しんに)の焔・・」。 激しい舞働、そして四面楚歌のなか運が尽き土中の塵となっていく・・。 面は項羽が筋怪士、后の虞氏は小面。 前シテの老人は朝倉尉。
観終わったあと切能に納得した。 あの世とこの世の関係が繋がらない。 作品が現在完了形ではなく過去形でできていたからである。