■能楽堂二月「釣針」「枕慈童」

*普及公演の□2作品を観る.
□狂言・和泉流・釣針■出演:三宅右矩,三宅右近,高澤裕介ほか
□能・喜多流・枕慈童■出演:出雲康雅,野口能弘,野口琢弘ほか
■国立能楽堂,2023.2.18
■「釣針」は主人と太郎冠者が妻を娶るため夷様に祈誓する話である。 参籠で妻を釣れという霊夢を受ける。 彼らは釣り竿を探してきて「釣ろよ釣ろよ」と歌い出す。 なんと!何人も釣れたので妻や腰元にしようとするが、・・笑。 
プレトーク「画家は何を描くのか、画題と能画」(小林健二解説)を聴く。 「項羽」(安田靫彦)、「鵜飼」(川合玉堂)、「菊慈童」(梶田反古)の3点を話題にする。 「歴史・神話などを扱った絵画は能と相性が良い。 物語の一場面を描く共通した性格をもつから・・」。  前者2人は知っていたが、梶田反古は初めてである。 復古大和絵を有職故実に精通していたらしい。 プログラムに「梶田反古と能」(富田章著)が掲載されているが分かり易くまとまっている。 
「枕慈童」は<楽>というリズミカルで足拍子を多用した華やかな舞が見所である。 能面は「童子」。 「菊慈童」とも言うが、彼は霊水である菊水を飲んで700年を生きている。 いつもの晩酌で「ふなぐち菊水一番しぼり」を飲んでいることを思い出した。 同じ菊水だから私も700年はいけるだろう。