■夜への長い旅路

■作:ユージン・オニール,台本:木内宏昌,演出:フィリップ・ブリーン,美術:マックス・ジョーンズ,出演:大竹しのぶ,大倉忠義,杉野遥亮,池田成志,土居志央梨
■シアターコクーン,2021.6.7-7.4
■麻薬や酒を舞台に乗せる作品はツマラナクなることが多い。 これに頼ってしまうからです。 朦朧としたり酔う演技をするしないのではなく、上手く言えないが、瞬時瞬時にこれを昇華した演出演技ができるか?ということです。
この作品は誇張した作者の記憶を科白が持っているようにみえる。 出来事の一つ一つが彼の身体を通しているから、その誇張が重みに変る。 役者達はこの変化を演じることができたと思います。
前半の父ジェイムスと兄ジュニア、母メアリーと弟エドモンドの長い対話を聞きながら少しずつ精神が集中していくのを感じました。 途中のメアリーと召使キャサリンの対話も楽しい。 後半になると対話の充実度がより増したようにみえます。
過去に2度みていますが、作品の面白さが今回やっと分かりました。
*「ブログ検索」に入れる語句は、オニール