■黄金の馬車  ■マダム・ボルジア

□黄金の馬車
■原案:プロスペル・メリメ,ジャン・ルノワール,演出:宮城聰,出演:阿部一徳,石井萠水,大内米治ほか,劇団SPAC
■観劇三昧・WEB(舞台芸術公園・野外劇場「有度」,2013.6.15収録)
■日本の戦国時代、旅芸人一座がとある農村で演じる劇中劇の構成を取っている。 一座の演目が日本神話、イザナギとイザナミに始まりアマテラスやスサノオなどなど神々が総登場します。 その芝居を観ている農民が観客の仲介者となり劇中劇が一体化されている。 まさに舞台と現実が溶けあい主人公の科白「人生は芝居か?芝居こそが人生か?」に繋がっていく。
原作映画は観ているが記憶が無い。 当時の記録には「ルノワールにしてはツマラナイ」と書いてあった。 ルノワールの作品は観るほどに味がでてくるので、今なら別評価になるかもしれない。
ところで今回は役者たちの声が殆ど聞き取れなかった。 舞台中央で喋る時はハッキリ聞こえるが周辺では呆けてしまっていた。 舞台映像は画質だけではなく音質も重要です。 途中に2行ほど字幕が表示されたが日本語字幕があれば助かります。
*ふじのくに・せかい演劇祭2013作品
□マダム・ボルジア
■作:ヴィクトル・ユゴー,演出:宮城聰,出演:美加理,阿部一徳,大内米治ほか,劇団:SPAC
■観劇三昧・WEB(駿府城公園・紅葉山庭園前広場,2019.5.5収録)
■ついでにもう1本観ることにする。 野外それも公園での上演だが、先ほど観た「黄金の馬車」よりずっと音質は良い。 最期まで役者の声がはっきりしていた。 音響技術の違いでしょうか?
ギリシャ神話から題材をとったような母と子の近親相姦に近い物語です。 その背景は多国が混ざり合ったような戦国時代になっている。 緊張と弛緩が交互にやってくるリズム展開は良く出来ていますね。 しかし緊張感が散ってしまう。 公園より劇場が合っている作品かもしれない。 映像ではなんとも言えないもどかしさもある。 生舞台とは違います。
*ふじのくに・せかい演劇祭2019作品