■キンキーブーツ

■監督:ブレッド・サリバン,脚本:ハーベイ・ファイアスタイン,音楽:シンディ・ローパー,演出・振付:ジェリー・ミッチェル,出演:マット・ヘンリー,キリアン・ドレニー,ナタリー・マックイーン他
■シネリーブル池袋,2021.3.5-(ロンドン・アデルフィ・シアター,2018年収録)
■タイトルを初めて聞いた時「近畿ブーツ」と訳してしまった。 この靴が日本で流行るなら大阪しかない!と。 後にドラァグクイーン向けサイハイブーツのことをキンキーブーツと言うのを知った。 そして今回、映像だがやっと観ることができた。
いきなり佳境に入る流れだ。 製靴工場を継いだ主人公チャーリーの前に突如ドラァグクイーンローラとその仲間が度肝を抜く歌と踊りで登場する。 チャーリーは悩みながらもローラを雇い職人たちと共にキンキブーツの製造に取り掛かるのだが・・。 終幕、彼らはブーツ出品のためミラノへ乗り込んでいく。
ロンドン近郊の製靴工場の経営が現実的に語られる。 これがベースにあるから歌と踊りがより輝くのだろう。 ローラの華麗な表とサイモンの実直な裏の姿もこれに沿っている。 しかもゲイやフェティシズムなどの課題を社会に向け誠実に答えている。 このような現実世界と舞台世界の融合が作品に深みを与えていた。 質の良い凝縮した舞台のためか、一息で観てしまったのが感想だ。
*松竹ブロードウェイシネマ作品