■オドリに惚れちゃって!ー形の冒険ー

■演出・出演:田中泯
■東京芸術劇場.シアターイースト,2018.11.23-25
■久しぶりの舞台だ。 映画などでは見ていたが2006年の「重力と愉快」、独舞だと2005年「赤光」以来である。 その田中泯は濃紺のコート姿で登場した。 彼の定番である。
しかし最初から凝った舞台美術だ。 地面が球状に膨らみだした・・! それが萎むと六尺褌のような晒木綿の旗をなびかせる。 旗の動きが爽やかだ。 そしてバッハ平均律と飛行機の爆音・・。 後幕が捲れ上がって灰色から黄緑色に変わり、・・模型飛行機の影を追う。 レギンズ姿になって。 トタン板のバラックの背景幕が再び捲れて茜色になる。 空襲だろうか?  衣装を着替える。 浪曲「清水次郎長伝」が聞こえてくる。 ・・。
田中泯の記憶を辿った舞台にみえる。 「形の冒険」とあるが「時」を形にしたいのではないだろうか? 時は記憶である。 21世紀に入りオドリの質を変えたように思う。 20世紀の彼の身体に時間は存在しなかった。 というより時間は一瞬に凝縮され身体の奥にうずくまっていたから。 そして今、時を解き放った。
*劇場サイト、http://www.geigeki.jp/performance/theater194/