■サムソンとデリラ

■作曲:サン=サーンス,指揮:マーク.エルダー,演出:ダクロ.トレズニヤック,出演:エリーナ.ガランチャ,ロベルト.アラーニャ他
■新宿ピカデリー,2018.11.16-22(MET,2018.10.20収録)
■1幕は「ヘブライ人合唱」と「サムソンとデリラの出会い」、2幕が「大司祭とデリラの対話」と「サムソンとデリラの再会」、3幕の「牢獄のサムソン」から「ダゴン寺院」の全6場面は夫々が分かり易く完結かつ連係していて進みゆく物語の安定感は抜群ね。 舞台道具も穴だらけの壁や像をシンメトリーにして軽さのなかに現代アートの感覚が盛り込まれている。 セシル・B・デミルの享楽志向と比較してしまったわ。 でもペリシテ人の衣装、住居や寺院の黄金色の使い方は引き継いでいるし、ニジンスキー風のダンサー達も楽しい。
この作品は神をとるか愛をとるか? ガランチャが「作品が短くてなんともいえない」と言っていたけど、この舞台でのデリラはどちらも取れないと思っているようね。 でもサムソンは両方取っていた。 デリラは迷ってしまったの。 それでも「あなたの声に私の声は開く」の桃色ガウンを脱ぎ黄緑ドレスになる場面は素敵よ。 アラーニャの高音が響きすぎていたのは設備の悪さかしら? 
*METライブビューイング2018作品
*作品サイト、https://www.shochiku.co.jp/met/program/853/