■離陸

■作・演出・出演:松井周,出演:伊藤キム,稲継美保,劇団:サンプル
■早稲田小劇場どらま館,2015.10.8-18
■ある日、兄は弟に姉との旅行を進めるの。そして旅行先でのやっちゃった件で弟は気にかけ続ける。兄も弟のそういう所は信用していない。姉は深く関わらない。兄は少しずつ精神状態が尋常ではなくなっていく··。 
実は観後にチラシを読んだら姉と兄は夫婦だった!観ていて近親相姦のことを考えてしまっていたから··。うーん、ドジッタ。でも漱石のことも思い出していましたのよ。
しかし夫婦と分かったからといっても何も変わらない。それは妻が物語に参加しないからだとおもう。そして兄の精神が弱ってきている真の原因が観ていても分からないからよ。この作品は「変化」を論じているようだけど、役柄が変わっても世界は変化しないということは証明できたわ。
伊藤キムはいつの間にか役者になっていたのね。存在感も有りなかなかだわ。ダンサーの身体が生きたままの「変化」は素晴らしい。ところでこの劇場は初めてなの。舞台は7mX3mで客席は100人くらいかしら。舞台奥行がもっと必要ね。芝居も舞台に合わせて奥行の無い動きだったけど、逆にパルスのような緊張感が出ていた。
*CoRichサイト、https://stage.corich.jp/stage/68259