■ガリバー旅行記

■演出:シルヴィウ・プルカレーテ,出演:ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場
■東京芸術劇場・プレイハウス,2015.10.15-18
■舞台はビニールの幕で覆われた馬小屋にみえる。 出だしから本物の馬が登場する。 でも静かに歩き回っているだけである。 フウイヌムのように嘶いてくれ! と言うことで「フウイヌム国渡航記」から始まるらしい。
ヤフーを介して人間の動物的側面を演じていくが、無彩色を基本とした舞台がその激しさを詩的に変えてくれる。 赤ん坊を殺しその肉を焼いて食うなどレクター博士なみの場面もある。 スーツ姿で行進するなど社会的側面も辛らつに描かれている。 老人の生き様への字幕が長く続いたがとてもリアルで記憶に残った。 これは原作に載っているのだろうか?
現実との境界を意識している演出のため一歩誤るとシラケてしまうが演劇パワーで向こうの世界に留まっている。 感動とともに呆れたという印象も強く残った。
*2015年F/T「融解する境界」連携作品
*劇場サイト、http://www.geigeki.jp/performance/theater100/