■まぼろしの夜明け

■振付:川村美紀子
■シアタートラム,2015.10.9-11
■中央舞台の周りに客が立ちっぱなしで観る構造なの。 波の音とミラーボールで寂れたディスコ会場に行ったみたい。 見ると6人のダンサーが薄い布を被って寝転がっている・・。
音楽と照明は鳴り照っているけど一向にダンサーたちは動かない。 やっと少しずつ立ち上がって来た。 なんとここまで1時間。 どうにか二本足でゆっくり歩き始めた途端に終幕。
舞踏などでみる超スローモーの動きに似ている。 でも存在を意識させる演技には見えない。 チラシに「限界まで踊ってみたい」と書いてあったけどダンサーの内面は激しく踊っていたのかしら? 内の激しさと外の静けさを感じ取る演劇的想像も身体言語が少ないため湧き起って来ない。
ニュースや虫の音など日常生活の雑音を主体にした音楽はダンサーと積極的に交わる個所が少なかった。 でも邪魔もしていなかった。 反対に照明が先走って物語を作ってしまったようにみえる。 ダンサーの身体が立現れてこなかった一つの原因かもしれない。
動きの少ない舞台では時間と空間の統合力が必要だけど、難しい作品を選んでしまったようね。
*チラシ、http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage54429_1.jpg?1444390505