■ラインの黄金

■作曲:R・ワーグナー,指揮:飯守泰次郎,演出:G・フリードリヒ,出演:J・ラジライネン,S・グールド,T・ガゼリ
■新国立劇場・オペラパレス2015.10.1-17
■軽さのあるワーグナーだった。 愛・金・肉欲・青春・・、どの言葉も日常に繋がっていく解り易さが出ていたわ。 具体のワーグナーね。 だから意味の深淵に連れて行ってくれない。 翻訳字幕にその理由があるのかもしれない。
ファーゾルトは語りの中にある謎を噛みしめるように歌うので納得して聞けたわ。 このように観ていながらいろいろな事を反芻できる余裕が欲しい。 アルベリヒが目立ち過ぎたけど歌手間のバランスは良く取れていた。 神々が軽いノリでダンスをしながらのヴァルハラ入城は素晴らしい幕切れだったわよ。
光を重視した美術はこのダダッ広い劇場に似合っているとおもう。 装置が簡略化でき費用もかからない。 しかも総合力を維持する確率は高くなるはず。 ところで第3場ニーベルハイムの前梁に幅があって2階以上の客席からは邪魔になったんじゃないかしら? それにしても指輪ってやっぱ面白い! 「動機」が音楽を越え実世界に広がっていく作品だから。 今シーズンの終わりには「ワルキューレ」を上演して欲しい。 1年1作で4年後の完結では待てない。
*NNTTオペラ2015シーズン作品
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/opera/dasrheingold/