■エゴイズム

■演出・出演:加賀谷香,出演:近藤良平,佐藤洋介,舘形比呂一,辻本知彦,松本じろ
■新国立劇場・小劇場,2015.10.9-11
■原作は「曾根崎心中」です。 有名な数節が読まれ、加賀谷と近藤の文楽人形を真似た場面から入ります。 次の加賀谷と佐藤のデュエットは広々とした腕の動きに手足の小刻みが時々入る振付で見る楽しさが伝わって来ます。 衣装は日本と言うよりアジアを連想します。 三場面の加賀と辻本のエロス全開のデュエットは素晴らしい。 これだけ床を転げまわるのは見たことがありません。 加賀の赤衣装も映えていた。 そして男性陣5人の余興が入ります。 原本の数節が読まれお初の加賀谷が浄土へ向かい終幕となります。
お初が死にゆく悲壮感がでていません。 直前の男性陣の楽しい余興が物語を分断してしまった。 物語を時系列で追うのではなく、場面ごとに独立させ再構築しながら観ると面白さが増す作品だと気付きました。 科白はマイクを使わないほうがずっと良くなるはず。 途中、舞台裏から聞こえてきた宴会の声、鏡や素晴らしい衣装は江戸時代に戻れました。
*NNTTダンス2015シーズン作品
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/dance/performance/150109_006134.html