■ドラマ・ドクター

■作・演出:川村毅,出演:ティーファクトリ
■吉祥寺シアタ,2015.10.23-11.2
■三人の若手劇作家が登場する。 彼らは戯曲が上手く書けないで悩んでいる。 しかも誰も書かなかったような物語にしたい! そこでドラマ・ドクターが登場する。 物語の医者である。
だが書いている戯曲が舞台上のストーリーに侵入してくるからややこしい。 ドクターの戯曲も入り混じり誰の物語かわからない。 劇中劇と言ってもよい。
ドクターだから診察もする。 楽しい戯曲か? 売れる芝居か? 「ぬくぬくとした芝居」が広がっていると言う。 物語=制度について資本主義を絡め議論したいようだ。 「面白い芝居にも飽きた!」。 しかし物語から逃げられない。
「ドラマ・ドクターという職業がハリウッドにある・・」とチラシに載っているが、21世紀資本主義は足がより速くなっているように感じる。 演劇は相対的に遅れてしまいヌクヌクして見えるのである。
舞台は安っぽい壁に囲まれた部屋だが原稿用紙がペタペタ貼ってあるのかな? 照明技術が良くなったので壁のような平面に少しの凹凸を付けただけで奥行の深いグラデーションを作れる。 これで物語の修飾も容易になる。
*劇場サイト、http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2015/07/post-38.html