■ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ

■作:トム・ストッパード,演出:鵜山仁,出演:浅野雅博,石橋徹郎
■OFFOFFシアタ,2015.5.4-31
■場内に入ると配役が幕に写し出されている。 クローディアス、ハムレット、ボローニアス・・そして二人の名前が載っている。 「ハムレット」をローゼンクランツとギルデンスターンの視点から描く芝居らしい。
ハムレット以外を主役にする発想は面白い。 でもこの二人は考えられない。 予期しない死が訪れるというのに軽く観過ごしてきたからである。 舞台を観ながら申し訳ない気分になってしまった。 しかも二人はハムレットに計画的に殺されるのだ。 
「今日も無事に過ごせますように・・」と一人が祈る。 二人は予め殺されることを知っているかのような振る舞いをする。 「ゴドーを待ちながら」を観ているのではないか!?と錯覚するような場面が続く。 手紙も開封してしまう。 彼らは逃亡も考えないし、もちろん自殺を試みることはしないしできない。
旅役者座長が黒子付の人形として登場する。 座長の演劇論が面白い。 そして彼の話が二人に感染していく・・。 ハムレットや母、叔父は映像で登場する。 映像との掛け合いも同期が取れていて楽しい。 「ハムレットを待ちながら」戯れたり哲学風議論をするしかないのは、やはり二人は脇役から逃れられないのだ。
*CoRich、https://stage.corich.jp/stage/64136