■二十日鼠と人間

■作:J・スタインベック,演出:アンナ・D・シャピロ,出演:J・フランコ,L・ミースタ,C・オダウト
■日本橋・東宝シネマズ,2015.5.15-20(イギリス,2015年作品)
■1930年代のカリフォルニア、農場出稼ぎ労働者ジョージとレニーが主人公である。 西部劇が崩れ去った後のような舞台だ。 二人は自分たちの農場を持ちたいと夢を語る・・。
この時代や西部の知識が無い為かとても新鮮にみえる。 農場で働く労働者の言葉の遣り取りや感情表現が力強い。 人間関係が直截で気持ちが良いくらいだ。 二人の野宿場面のくだらない一言一言さえもスクリーンを凝視してしまった。 まさに生きている日常会話である。
但しこれには仕掛けがある。 レニーの頭を少し弱くしている。 これで純粋世界に入っていける。 そして解説者も言っていたが、この作品はスタインベックの思い出が描かれている。 彼の幼少時代である。 この二つが結びついて面白い舞台味を出すことができた。 それは人恋しさを他者に素直に打ち明けることのできる豊かさだろう。 人恋しさは夢を語る必要条件だから。 さあ「夢のカリフォルニア」ヘ!
*NTLナショナル.シアター.ライブ作品
*映画comサイト、https://eiga.com/movie/81581/