■マノン

■作:J・マスネ,指揮:F・ルイージ,演出:L・ペリー,出演:A・ネトレプコ,P・ペチャワ
■東劇,2012.5.5-11(MET,2012.4.7収録)
■マノンの艶めかしさは地で行く演技のようだったわ。 感情を表に出さない娼婦のようで凄みが出ていた。 これ以上太ったら惨めになる肉体をあらわにして男を虜にしていく姿は頼もしいくらいよ。 いつもベット付だしね。
目尻を下げ過ぎたサッカー選手三浦知良のような神経質のデ・グリュー、スケベ老人ギョー、賭博好きなレスコー、皆個性があるから歌がかすんでしまったわ。 ルイージが重たくないオケにしたいと言ってたから余計そうね。
そしてこの舞台の欠点はマノンやデ・グリューに同等の敵がいないことよ。 だからドキドキはしないの。 多分原作が悪いのよ。 マノンは六回着替えたけどサン・シュルビス教会の白そしてホテル・トランシルバニアの賭博場での桃のドレスが最高。
舞台背景は壁や鉄の階段、傾斜した廊下、遠近のある波止場など凝っているけどニューヨーク的な風景で物語にしっくり来なかったわ。 観終わったあとは出演者の姿形や性格しか覚えていないのもニューヨーク的なオペラね。
*METライブビューイング2011年度作品
*主催者サイト、http://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2011-12/#program_10