■軍鶏307

■すみだパークスタジオ、2012.5.11-28
http://image.corich.jp/stage/img_stage/l/stage27140_1.jpg?1336866084
■戦後50年代から60年前半の日本映画から幾つかの場面を拾いだして繋げたような芝居です。 街に流れ着いたヤクザや闇医者、女の生き方を描いています。 当時の映画のダイジェスト版を観ている感じです。 だからリアルさや深みが中途半端です。
メンドリが息子の徴兵に抵抗しますがその理由が語られません。 ヤクザが逃げるのを手伝う場面もそうです。 この時代の逃げる行為は重たいテーマですが、逃げろや逃げろと言っているだけです。 戯曲賞候補が受賞できなかった理由はここにあります。
この芝居で戦後が時代劇になったことを確認しました。 チャンバラ映画の延長ですが戦後を扱うとこうなるのでしょう。 舞台は建物の壁や窓で平面的ですが、時々照明だけにして深みを与え単調化を防いでいます。 役者の熱演が清々しかったですね。