■カフカの猿-フランツ・カフカ「ある学会報告より」-

■原作:フランツ・カフカ,翻案:コリン・ティーバン,演出:ウォルター・マイヤーヨハン,出演:キャサリン・ハンター
■シアタートラム,2012.5.2-6
■カフカがこのような小説を書いていたとは知りませんでした。 「ある学会報告」です。 彼の作品はストレートに芝居にしても面白くありません。 特にこの芝居は「猿の惑星」を思い出させます。 そして舞台上でこれと無意識に混ぜ合わせてしまうのです。
ですからキャサリンの猿の息遣いが聞こえてくる名演技の楽しさはありますが、猿から離れた野田秀樹との共演のほうが本人に近くて印象強い感がします。 キャサリンが頑張れば頑張るほど「猿の惑星」と競合します。
ポストトークは池内紀のためカフカ一色でした。 ニ種類のノートの使い分けや文章の訂正方法、仕事部屋の事など創作現場の話は面白かったですね。 小説を友人に託したり結婚をしなかったのは彼の統合失調症気質の影響ではないでしょうか。
*劇場サイト、https://setagaya-pt.jp/theater_info/2012/05/post_275.html