■イロアセル

■作:倉持裕,演出:鵜山仁
■新国立劇場・小劇場,2011.10.18-11.5
■その島民の言葉には色があり、この固有色から誰の言葉かわかってしまう。 だから島民は真実を言えない。 外から来た囚人と看守には色がない。 この二人を介して島民の噂が流れてしまう物語だ。 現代ネットワーク社会を批判しているようだが・・?
プルプラン社の町長や審査委員への賄賂、アズルとライや町長と議員の人間関係、すべてが三行広告レベルの話で終わっている。 囚人が守秘義務があるといいながら島民のことをバラすのも、看守への敬語の使い過ぎも、島民への上から目線もなにか変だ。
チラシに「・・支持を得ていた機能が社会システムで不要になってしまう・・」とある。 しかし機能やシステムの意味を取り違えている。 しかもこれらと「滅びゆくものに託した美意識」に結びつけているから余計わからなくなる。
言葉に色がついたところが新しいだけの他人の言葉≒心を読めるという使い古したSF劇である。 サエナイ芝居だ。 何度も席を立ちたくなった。 観落としがあったのか?誤った観方をしたのか? 心配になり帰りにプログラムを購入してしまった。
*NNTTドラマ2011シーズン作品
*劇場、http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000436_play.html