■六月のクリスマス

■作:イザベル・ドゥ・トレド,演出:中村まり子,田村連
■下北沢「劇」小劇場,2011.10.5-10
■女性演出家のホームドラマ系芝居はウンザリしていたので心配でした。 しかし別系統なので少しホットしました。 大切な庭はちょっと物足りないのですが背景のグレー一色が物語に集中させてくれます。 予算の関係もあるのでしょう。
ソフィーの夫やジュリー、ソランジュの話題が山をなしますが、四姉妹の心のありようを覗いているようで申し訳なさを含んだ楽しさがありました。 しかし観終わったあと思い出すのに力のいる芝居です。 つまり記憶に残らない芝居です。
チラシ「他者と異なる価値観や考え方を受け入れる」のテーマに沿った内容です。 残らない理由はテーマをそのまま肯定しているだけの舞台だからです。 現実の家族と向き合っている観客にはもう一段深い「家族のあり方」が欲しいところです。