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■田園に死す

■作:寺山修司,演出:高野美由紀,出演:劇団☆A・P・B-Tokyo,三味線:工藤武蔵 ■あうるすぽっと,2023.6.1-4 ■母と息子の粘っこい愛憎はもはや奇態と言ってよい。 それは自身の過去をも少なからず振り返させられる。 母と子の永遠のテーマですね。 恐山、サーカス、家出・・、多くの事件が淡々と積み重なっていく。 この堆積していく物語の絡み合いから感動が滲み出てくる。 観客は堆積を待たなければいけない。 途中、「私」が登場する異化効果が面白い。 舞台が中断してしまったのか!? 観客の多くが本当に驚いていましたね。 そして三味線の独奏が素晴らしかった。 ト書きの短歌は雑音が入り聴き落としがでてしまった。 また発声が聞き難い役者もいました。 風音や東北弁などと重なるからでしょうか? 万華鏡のような音と色、これに染まっていく物語。 寺山世界を堪能しました。 *寺山修司没後40年記念作品  *CoRich、 https://stage.corich.jp/stage/26114 *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、高野美由紀 ・・ 検索結果は5舞台 .

■帝国月光写真館

■作:高取英,音楽:J・A・シーザー,演出:流山児祥,出演:塩野谷正幸,伊藤弘子,里美和彦ほか,劇団:流山児★事務所 ■スズナリ,2021.12.8-12 ■物語りの修飾が厚くて嬉しい混乱が続きますね。 最後にじわっとみえてくるのが1940年代という時代の雰囲気です。 具体的な当時の映像や事件が多く出てくるからでしょう。 「三原山自殺事件、新興宗教弾圧、日本軍の動向、月光写真や幻視複製機などなどが虚実入り混じり・・」。 わくわくどきどきですね。 「新作音楽劇」と書いてあったが歌唱は多くない。 怪人二十面相との繋がりは知りませんが、むしろ少年冒険活劇と言ってよい。 テーマはボケましたが1940年は現代と繋がりたいらしい。 なにもかも詰め込んだ凝縮の強さが現れていました。 舞台をみながら先日の「地球空洞説」を思い出してしまった。 期待していたがツマラナカッタからです。 途中の休憩で劇場を後にしてしまった。 理由は多々あるが、やはり劇場が合わなかった(?) IMAホールという多目的劇場です。 ガラーンとした無機質感漂う空間での寺山修司作品&高野美由紀演出は似合わない。 役者が登場し舞台中央に行くのに10歩はかかる。 小劇場系の役者が10歩も歩けますか? 5歩が限度です。 劇団と劇場は切り離せません。 高野美由紀も流山児祥も凝縮力ある舞台が命です。 歩数の少なさもその力を高める一つの手です。 今日のスズナリを観てそう感じました。 *高取英メモリアル2021作品 *CoRich(帝国月光写真館)、 https://stage.corich.jp/stage/115637 *CoRich(地球空洞説)、 https://stage.corich.jp/stage/114930

■盲人書簡

■作:寺山修司,演出:高野美由紀,出演:劇団☆A・P・B-Tokyo ■ザムザ阿佐谷,2011.11.11-15 ■時代は上海事変あたりが舞台?で明智小五郎や小林少年も登場し賑やかです。 しかし物語が断片の繋ぎ合わせのため舞台も以前どこかで観たような場面が次々と現れます。 暗闇だらけの芝居と聞いていましたがいつもとあまり変わりません。 長いセリフを暗闇で聞く場面が一箇所ありました。 ここはいつもと違った緊張が訪れました。 もっと「もっと闇を・・」です。 闇の芝居は劇団にとってチャンスだったはずです。 後半はストーリーも集約してきて盛り上がりましたが、なぜ終幕に小林少年は身近の人明智小五郎や母親を刀で切ってしまったのでしょうか? もう一つの闇との関係を断ち切るためでしょうか? 観た後もカタルシスのある芝居でした。  この文章をかきながらチラシを見たらなんと小林少年が高野由美子だったと知りました。 演出家がどんな人か興味があったのですが、役者としても雑音を出さないピュアな演技で上手かったですね。 そして学生帽をもっと深く被ればまさに小林少年です。 *劇団、 https://www.apbtokyo.com/about

■2010年舞台ベスト10

□ 銀河鉄道の夜   演出:鴨下信一,出演:白石加代子 □ ペール・ギュント   演出:宮城聰,劇団:SPAC □ 東京裁判三部作(夢の裂け目、夢の泪、夢の痂)   演出:栗山民也,制作:新国立劇場 □ 空白に落ちた男   演出:小野寺修二,出演:首藤康之,安藤洋子ほか □ ジーンズ   演出:佐野木雄太,劇団:銀石 □ 肉体の迷宮   演出:和栗由紀夫,関典子,舞団:好善社 □ 田園に死す   演出:高野美由紀,劇団:A・P・B-TOKYO □ 砂町の王   演出:赤堀雅秋,劇団:THE SHAMPOO HAT *並びは上演日順。 選出対象はこのプログに書かれた作品(感想文無いものあり)。 今年は8作品のみ。 映像は除く。

■2013年舞台ベスト10

□ ルル   演出:シルヴィウ・プルカレーテ,劇団:ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場    □ あの記憶の記録   演出:日澤雄介,出演:劇団チョコレートケーキ □ 駆込ミ訴へ   演出:三浦基,劇団:地点 □ 材料カエサル   演出:杉浦千鶴子,劇団:ラドママプロデュース □ わが友ヒットラー   演出:倉迫康史,出演:ORT-D・D □ MY FAVORITE PHANTOM   演出:橋本清,音楽:涌井智仁,出演:ブルーノプロデュース □ 毛皮のマリー   演出:高野美由紀,出演:劇団☆A・P・B-Tokyo □ もう風も吹かない   演出:平田オリザ,劇団:青年団 □ ノーラ   出演:tgSTANティージースタン □ ピグマリオン   演出:宮田慶子,出演:石原さとみ,平丘大ほか *並びは上演日順。  選出範囲はこのブログに書かれた作品。 映像は除く。 * 「2012年舞台ベスト10」

■疫病流行記

■作:寺山修司,演出:高野美由紀,出演:劇団☆A・P・B-Tokyo ■シアターグリーン,2014.11.28-12.3 ■「30年前は陸軍野戦病院だった・・」。 でも「ロメオとジュリエット」の舞台美術だと勘違いしたくらいです。 貧弱ですが黄土色の家壁に蔦が這っていて、ジュリエットが登場してきそうな明るさがあります。 戦後30年の1975年にこの作品を初演、それから40年後の今日が九條今日子追悼公演になってしまいました。 ・・戦後70年もたったのですから野戦病院跡の建物も明るくなるでしょう。 女性演出家色が強く出ている作品でした。 しかもメトロノームで計っているような舞台テンポです。 このテンポで物語も平均化されたのか煮詰まりません。 細かい話は沢山登場するのですが集約できない。 これは作者がメッセージを込め過ぎたせいでもあります。 この作品は舞台が間延びをしてしまうことがよくあるのです。 でも流石APB東京です。 持前の寺山DNAで恰好をつけることができました。 歌唱が数曲ありましたが、音響を抑えて役者が真面目に歌えば舞台に深みが出るでしょう。 *劇団サイト、 https://www.apbtokyo.com/about?lightbox=dataItem-k92horaj

■毛皮のマリー

■戯曲:寺山修司, 演出:高野美由紀,出演:劇団☆A・P・B-Tokyo ■ザムザ 阿佐谷,2013.8.30-9.2 ■ 複雑な関係ですが母と子の物語です。 母が男優、男の子が女優であることが不思議世界の入口です。 母子関係を豊かな情感に包み込んで舞台にのせていました。 劇的さは少ないのですが濃い味がありました。 寺山修司の作品は母子場面がとても難しいように感じます。 多くはギクシャクしてしまいます。 これを乗り越えて豊かな感情を観客に与えてくれる数少ない劇団です。 話は変りますが、この劇場は客席が急勾配です。 RSCやNTのシェークスピア劇では役者が観客特に天井桟敷に向かって、しかも上を向いた姿勢で台詞を喋ることが多々あります。 これがなかなかの感動モノです。 この劇場で観る芝居が面白い理由の一つではないかとおもいます。 *劇団、 https://www.apbtokyo.com/about

■田園に死す

■戯曲:寺山修司,演出:高野美由紀,劇団:A・P・B-TOKYO ■ザムザ阿佐谷,2010.11.26-12.5 ■寺山修司のエッセンスが一杯詰まっていたから、2時間半だけどアッというまに過ぎてしまったわ。 舞台は荒っぽいところが多々あるけど良く練れていた。 再々演だからかな。 そして舞台はとても懐かしい感じがしたの。 途中、演出とは知らず客席から駄目押しが出たのはビックリ! 蝋燭や燐寸の火を多用することで舞台に深みが出てたけど、東北の寺山修司のネットリとした肉体から言葉を紡ぎ出すには火が一番よ。 でも青年の寺山役は立派過ぎるわね。 もっとオドオドしなくっちゃ。 ジェニファー松井もエイリアンね。 *劇団、 https://www.apbtokyo.com/about