■疫病流行記

■作:寺山修司,演出:高野美由紀,出演:劇団☆A・P・B-Tokyo
■シアターグリーン,2014.11.28-12.3
■「30年前は陸軍野戦病院だった・・」。 でも「ロメオとジュリエット」の舞台美術だと勘違いしたくらいです。 貧弱ですが黄土色の家壁に蔦が這っていて、ジュリエットが登場してきそうな明るさがあります。
戦後30年の1975年にこの作品を初演、それから40年後の今日が九條今日子追悼公演になってしまいました。
・・戦後70年もたったのですから野戦病院跡の建物も明るくなるでしょう。 女性演出家色が強く出ている作品でした。 しかもメトロノームで計っているような舞台テンポです。 このテンポで物語も平均化されたのか煮詰まりません。 細かい話は沢山登場するのですが集約できない。 これは作者がメッセージを込め過ぎたせいでもあります。 この作品は舞台が間延びをしてしまうことがよくあるのです。 でも流石APB東京です。 持前の寺山DNAで恰好をつけることができました。
歌唱が数曲ありましたが、音響を抑えて役者が真面目に歌えば舞台に深みが出るでしょう。
*劇団サイト、https://www.apbtokyo.com/about?lightbox=dataItem-k92horaj