■鼬

■作:真船豊,演出:長塚圭史,劇団:シス・カンパニー
■世田谷パブリックシアタ,2014.12.1-28
■叔母おとりは山影に裏切られるのでは? 鼬とは誰なのか? これからが面白い!とワクワクしながら観ていたが、母おかじの死で幕が下りてしまった。 年末だというのに半端な終わり方で残念である。
舞台のだるま屋内部はただっ広いだけの空間である。 債権者が家具類を持って行ってしまったようだが、昭和初期の東北にはみえない。 しかしこれで人物に集中できた。
役者たちは喚くような喋り方だが慣れてくると気にかからなくなった。 女性たちが素晴らしい。 特におとりとの対話が活き活きしている。 数々の苦労話が当時の風景を連れてきてくれる。
そして欲望の結晶であるカネはモノの極限にみえる。 札束を数える・札束を隠す・札束を人に渡す・・。 札束はおどろおどろしい。 人の全てがこびり付いるようだ。 振込やカードだとこうはならない。 昭和は遠くなってしまった。
ともかく中途半端な感は否めない。 続編の3幕を作ってくれ。
*劇場サイト、https://setagaya-pt.jp/theater_info/2014/12/post_376.html