■スペイン国立ダンスカンパニー

■監督:J・マルティネズ
■KAAT・ホール,2014.12.5-6
■「SUB」「堕ちた天使」「ヘルマン・シュメルマン」「天井桟敷の人々」「マイナス16」の5作品を上演。 最初の「SUB」は戦士たちが闘い前の準備運動をしているようだ。 体格が良いので重量感が伝わってくる。 これは「堕ちた天使」の女性ダンサーにも言える。 
しかし大味である。 振付が指先や爪先にまで届いていないからである。 つまり身体の端がボヤケてしまって大味にみえるのである。 スペインらしく日常性を取り込んでいる場面も多いが物語が中途半端である。 これも原因かもしれない。
「天井桟敷」ではマルティネズが踊る予定であったが怪我のため代役になってしまった。 残念である。 
終幕には10名くらいの観客を舞台に乗せたが即興客のようではなかった。 統制がとれていたためである。 でもこれで和んだことは確かだ。 
パリ・オペラ座次期監督のB・ミルピエが話題になっているが、こちらスペインの方は静かにみえる。 資本主義世界では経済発展と芸術の面白さは比例するのだろう。 20世紀に戻って舞台を観ているようだった。
*劇場サイト、http://www.kaat.jp/d/spain