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■2025年舞台映像ベスト10

*映像(映画・配信など)で観た舞台公演から最良の10本を選出. 並びは観賞日順. ■ マクベス   演出:マックス・ウェブスター,劇場:ドンマー・ウェアハウス ■ ハンマー   演出:アレクサンダー・エクマン,舞団:エーテボリ歌劇場ダンスカンパニー ■ 賭博者   演出:ピーター・セラーズ,指揮:ティムール・ザンギエフ,主催:ザルツブルク音楽祭 ■ 真面目が肝心   演出:マックス・ウェブスター,劇団:ロイヤル・ナショナル・シアター ■ 博士の異常な愛情   演出:ショーン・フォーリー,劇団:ロイヤル・ナショナル・シアター ■ サロメ   演出:クラウス・ゲート,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,劇場:メトロポリタン歌劇場 ■ ラインの黄金   演出:バリー・コスキー,指揮:アントニオ・パッパーノ,劇場:ロイヤル・オペラ・ハウス ■ ワルキューレ   演出:バリー・コスキー,指揮:アントニオ・パッパーノ,劇場:ロイヤル・オペラ・ハウス ■ 蝶々夫人   演出:ロバート・ウィルソン,指揮:スペランツァ・スカップッチ,劇場:パリ・オペラ座 ■ オルフェオとエウリディーチェ     演出:ピナ・バウシュ,指揮:トーマス・ヘンゲルブロック,劇場:パリ・オペラ座 *今年の舞台は,「 2025年舞台ベスト10 」. *今年の美術展は,「 2025年美術展ベスト10 」.

■ワルキューレ

■作曲:R・ワーグナー,指揮:アントニオ・パッパーノ,演出:バリー・コスキー,出演:クリストファー・モルトマン,エリザベート・ストリート,ナタリア・ロマニウ他,ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団 ■TOHOシネマズ日本橋,2025.9.5-11(ロイヤル・オペラ・ハウス,2025.5.14収録) ■上演時間5時間(休憩含む)は長い、そして短い。 緊張ある対話が続くがヴォータンの存在が流石に目立つ。 「ラインの黄金」ではアルベリヒとバリトン域を競い合ったが今日は彼の独断場だった。 しかも髪を伸ばし義眼に変えたので最初は別人かと思ってしまった。 エルダも舞台を徘徊しているが大丈夫だろうか? 2年の歳月は短くない。 これを意識して若い歌手を多く登場させたのは戦略だろう。 でも彼らの存在力はこれからに期待するしかない。 「環境問題がテーマである・・」、「故郷オーストラリアの山火事を体験・・」。 舞台監督と演出家が語っていた。 フンディングの館をトネリコの壁で覆った1幕、荒野にトネリコの廃木を置く2幕、ブリュンヒルデを埋めたトネリコが炎に包まれる3幕。 テーマも山火事も分かるが環境問題を考えると舞台の面白さが遠のく。 「食卓にはジャガイモとトリ肉を・・」。 舞台監督の飽くなき拘りがみえるが、飲食は最低限にしてもらいたい。 食べる演技はとても難しい、フンディングの食べっぷりは豪快で巧かったが。 ところで指揮者パッパーノが音楽監督を引退するらしい。 「・・22年間で700舞台を熟した」とインタビューで話していた。 感動が遠のく前に新指揮者ヤクブ・フルシャの「ジークフリード」を観たいものだ。 エルダ、それまで元気でいてくれ! *英国ロイヤル・バレエ&オペラinシネマ2024作品 *映画com、 https://eiga.com/movie/102664/ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、バリー・コスキー ・・ 検索結果は2舞台 .

■ジークフリート

■音楽・台本:リヒャルト・ワーグナー,指揮:アントニオ・パッパーノ,演出:バリー・コスキー,出演:アンドレアス・シャーガー,ピーター・ホーレ,クリストファー・モルトマン他 ■TOHOシネマズ日比谷,2026.6.26-7.2(ロンドン・ロイヤル・オペラ・ハウス,2026.3.31収録) ■「ラインの黄金」(2023年)、「ワルキューレ」(2025年)、そして今回の「ジークフリート」(2026年)。 来年には「神々の黄昏」が予定されており、思った以上に4作の上演間隔は短い。 嬉しいことだ。 指揮者が変更になると聞いていたが、パッパーノが引き続き指揮棒を振るようだ。 幕が開くと、ジークフリートとミーメの親子喧嘩が延々と続く。 しかし脳味噌がなかなか起きない。 ところが、さすらい人の登場で舞台の緊張が一気に高まり、眠気は吹き飛んだ。 前2作を通してヴォータンの存在感は圧倒的である。 また、素裸で徘徊する認知症エルダも健在で妙に安心してしまう。 二幕の舞台美術には呆気にとられた。 雪の降る町はずれの街道に、突如として現代風の一軒家が建っている。 その家から現れた龍=ファフナーは、金色に輝くスーツ姿で登場したので、時と場所の感覚が完全に混乱した。 三幕では、お花畑を走り回るジークフリートとブリュンヒルデが現れ、眩暈の連続が続く。 助監督はインタビューで「デヴィッド・リンチ風」と語っていたが、そうは感じなかった。 むしろ今回もドイツ的な風景が広がっていた。 1幕はフリッツ・ラング、2幕はF・W・ムルナウを思わせる。 映画監督から離れるが、3幕は舞踊家ピナ・バウシュの世界を連想させた。 ただし今回の「ジークフリート」は、どうもリズムが合わなかった。 おそらくミーメの弛緩した喜劇性が、<指輪>全体の緊張感を過度に緩めてしまったからだろう。 さらにブリュンヒルデがジークフリートに述べる凡庸な感想も、物語の高揚を現実へ引き戻してしまう。 日本語字幕との相性が悪かった可能性もある。 この狂ったリズムを、次作「神々の黄昏」でどう挽回するのか期待したい。 *英国ロイヤル・バレエ&オペラinシネマ2025作品 *映画com、 https://eiga.com/movie/105024/ *「ブログ検索🔍」に入れる語句は、バリー・コスキー ・・ 検索結果は3...

■指輪の力、「ニーベルングの指輪」の150年

■出演:マリナ・フレンク,ヴァレンティン・シュヴァルツ,アンドレアス・ホモキ他 ■NHK,2026.8.3(ドイツ,2026年作) ■作曲家ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」にまつわる一時間のドキュメンタリー映画である。 音楽家や演出家など多くの舞台芸術家が登場し、「指輪」150年の歴史と社会的影響を語る。 先月鑑賞したROH「 ジークフリート 」の演出家バリー・コスキーの姿も映し出され、個人的な鑑賞経験と映画の内容が自然に重なった。 出演者たちの言葉は多彩で、「脇役を作らない、すべてが主役級である」「ヨーロッパの反ユダヤ主義が読み取れる」「各場面が生と死の瀬戸際にある」など、作品の本質を鋭く突く意見が次々と飛び交う。 なかでも興味深かったのは、ハリウッドへの影響である。「スター・ウォーズ」のルークとレイアはジークフリートとブリュンヒルデ、ダース・ベイダーはヴォータン、そしてフォースは指輪に相当するという指摘は、思わず膝を打つ面白さがあった。 過去の舞台映像も紹介される。 1976年バイロイトのパトリス・シェロー演出では労働者階級が主役となり、2022年同劇場のヴァレンティン・シュヴァルツ演出では家族の物語として再構成され、指輪が子どもに置き換えられている。 2023年チューリヒ歌劇場のアンドレアス・ホモキ演出では寓話=御伽噺として描かれ、さらに近年ではAIを用いた新たな「指輪」も制作されているという。 オペラという枠を超え、音楽・演劇・美術を巻き込んだ総合芸術として、時代ごとに新しい「指輪」が生まれ続けていることを改めて実感した。 長年の「指輪」ファンとして、この豊かな変容を目の当たりにできるのは嬉しい限りである。 *美術展ナビ、 https://artexhibition.jp/topics/news/20260726-AEJ2956480/

■ラインの黄金

■作曲:R・ワーグナー,指揮:アントニオ・パッパーノ,演出:バリー・コスキー,出演:クリストファー・モルトマン,クリストファー・バーヴェス,ショーン・パニッカー他,ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団 ■RBOストリーム・配信(2023.9,ロイヤル・オペラ・ハウス収録) ■英国ロイヤル・バレエ&オペラ・イン・シネマで「ワルキューレ」を9月5日から上映するようだ。 「ラインの黄金」は2023年秋に上映されたらしい。 これは見逃していた。 ウェブを探し回り「RBOストリーム」に辿り着く。 そこで見つけた。 早速観る。 幕開きから驚きの連続である。 裸体の老婆が舞台を歩き回っている? 途中で分かる。 老婆はヴォータンの妻そしてブリュンヒルデの母である女神エルダだった! うーん・・? そして現代的病を持つ人物が勢揃いした演劇をみているような錯覚に陥ってしまう。 一幕2時間半を一気に観てしまった。 他の「指輪」、例えばMET(メトロポリタン)やNNTT(新国立劇場)と比較しても言語的演技的な斬新さがある。 そこに切れ味の良い歌唱がより演劇を意識させる。 ところでRBOは序夜から今回の第一夜「ワルキューレ」まで2年かかっている。 この流れだと第三夜「神々の黄昏」を観るのは2029年かな? NNTTは2015年に序夜を、2017年までに全夜を上演している。 まっ、2年が妥当だろう。 ともかく、第一夜を観に行こう。 *英国ロイヤル・バレエ&オペラinシネマ2023作品 *映画com、 https://eiga.com/movie/100622/