■母
■作:カレル・チャペック,演出:シュチェパーン・パーツル,出演:テレザ・グロスマノヴァー,トマーシュ・シュライ,ロマン・ブルマイエル他,ブルノ国立劇場ドラマ・カンパニー ■新国立劇場・小劇場,2025.5.28-6.1 ■1938年の作品だが時代背景など表面上は現代にしてある。 チェコ共和国の一家族、両親と息子5人の物語です。 ・・戦死した父や4人の息子のように末っ子を戦場に送るわけにはいかない。 母は強く思う。 しかし、父と長男たちの亡霊が現れて母と末っ子を惑わす。 彼らは二人に国家への義務や忠誠、地位や名誉などを吹込む。 さいごに母は折れて末っ子を戦場に送ってしまう・・。 母の息子への実直な思い、息子たちの社会へ向けた行動は当時から変わらない。 人類史で積み重なってきた母性本能や闘争本能の在り方は急には変われないでしょう。 ヒトを含め動物の母性本能は安定している。 一方、闘争本能は共同体や社会構造の変化に追いつかず混乱し続けている。 脳味噌のキャパシティに限界があるからです。 1世紀前の初演作品だが、このままでは1世紀後も同じように上演していることでしょう。 ところで、字幕板を舞台上に持ってきたのは良いが位置が高い。 演出家と調整してもっと低くすると見やすくなる。 また日本語の表示が速すぎて読み切れなかった。 翻訳の調整も必要です。 *NNTT2024海外招聘公演 *劇場、 https://www.nntt.jac.go.jp/play/mother/