■諜報員

■作・演出:野木萌葱,出演:植村宏司,西原誠吾,井内勇希ほか,劇団:パラドックス定数
■東京芸術劇場・シアターイースト,2024.3.7-17
■ゾルゲ事件を事前に調べておけばよかった。 幕が開いてからそう思った。 それはともかく、久しぶりのパラドックス定数を楽しむことができました。
舞台の構造や照明、役者の動きや立ち位置などが計算され尽くしていますね。 逮捕された3人の生き方が前面にでている。 「国を守りたい」「命を守りたい」「自由を守りたい」・・。
そして作品が強調しているのは警察組織内の評価です。 警察と特高の違いも論じている。 警察では正義と欲の差は法の順守の中で処理される(?)。 逮捕者が解放されたのはこの為でしょう。 特高ではそうはいかない。
演出家の挨拶文に「劇的にしない」「大事件にしない」とあった。 観終わった後、これに納得しました。 当事者にとって事件の全体像はみえない。 観客にとっても歴史の断片が微かに浮かんで直ぐに沈んでいったような舞台でした。 ほどよい緊張感もあった。 でも日常の事件のように数日経てばボヤケていってしまうかもしれない。
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、野木萌葱 ・・検索結果は10舞台.
*パラドックス定数第49項