■能楽堂三月「鐘の音」「胡蝶」

*国立能楽堂三月普及公演の□2舞台を観る.
□狂言・和泉流・鐘の音■出演:野村万禄,能村晶人
□能・観世流・胡蝶■出演:武田宗和,福王和幸,村瀬堤ほか
■国立能楽堂,2024.3.9
■「金の値」を聞いてきてくれ! 主人はこう伝えたが、「鐘の音」を聴いてきてくれ!と太郎冠者が聞き違える話である。 「コガネのネ」と言ってくれ!と文句をつけていたが後の祭り。 太郎冠者が鎌倉の寿福寺・円覚寺・極楽寺・建長寺の鐘の擬音を演じる。 また終幕の般若心経を引用した小歌も楽しい。
「胡蝶」のプレトーク(三浦裕子)を聴く。 この作品は荘周「胡蝶の夢」・舞楽「胡蝶」・「源氏物語」を参考にしている。 舞楽では「迦陵頻(かりょうびん)」との番舞(つがいまい)になっている。 「源氏物語」は番舞を踏襲したが当能は「胡蝶」だけを採用した。
舞台では<太鼓入り中ノ舞>で演じられたが、シテの冠の蝶がピョンピョンと跳ねまわっている。 舞楽では童舞らしい。 童が演者ならピョンピョンは似合うとおもうが・・。 動きが緩い舞ではしっくりこない、逆に固定した方が観ていても集中できる。