■かぐや姫

■演出:金森穣,音楽:C・ドビュッシー,出演:足立真理亜,秋元康臣,木村和夫ほか,舞団:東京バレエ団
■東京文化会館・大ホール,2023.10.20-22
■世界初演ということで、いざ上野へ。 ・・舞台は簡素です。 衣装もです。 でも近未来的なスタイルでかっこいい。 コンテンポラリを取り入れた振付が冴えている。 特に群舞はミニマムな心地よさがある。 アジア的仏教的な手の動きは素晴らしい。 摺足も使用していて鋭い走りをする。 ダンサーたちの登場や退場、マントを脱ぐ動作、黒衣の存在、すべてが計算し尽されていますね。 主な役者には数人の群舞を付け身体拡張をしているのが面白い。 そして背には冷めた月が輝いている。 音楽はドビュッシーです。 ここに月の世界が出現します。
かぐや姫は、なぜやって来たのか、そして帰って行ったのか? 凡そは知っていたが物語は淡々としている。 たぶん原因はドビュッシーにあるのかもしれない。 音楽が物語と観客の間に入り間接的な接触になってしまった。 姫と道児との恋愛もあったが脇道です。 でもドビュシー以外は考えられません。
アフタートークを聞く。 出席は金森穣と司会者(名前は忘れた)。 ・・「日本から世界へ発信するためにかぐや姫を選んだ」「グランドバレエの再定義をしたい」「かぐや姫とは誰か?」。 誰でしょう? 「ノイズムではなく東京バレエ団のメソッドを優先した」「当初は紙芝居的だったが日本昔話から離れてより抽象化させた」。 これで物語が冷たくなったのかも? 「昔は月光の存在が大きかった」。 現代人にとっては羨ましい。 「これからも東京バレエ団で再演したい」。 などなど。
日本昔話の抽象化や月光の世界に馴染むことは必要ですね。 「かぐや姫はなぜやって来たのか、そして帰って行ったのか?」。 観客がそれぞれの答えを見つけ出せたらより面白くなります。
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、金森穣 ・・検索結果は34舞台.