■修道女アンジェリカ ■子どもと魔法

□修道女アンジェリカ■作曲:G・プッチーニ,指揮:沼尻竜典,演出:粟國淳,出演:キアーラ・イゾットン,齊藤純子,塩崎めぐみ他,管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
□子どもと魔法■作曲:M・ラヴェル,指揮:沼尻竜典,演出:粟國淳,出演:クロエ・ブリオ,斎藤順子,田中大揮ほか,児童合唱:世田谷ジュニア合唱団
■新国立劇場・オペラパレス,2023.10.1-9
■「修道女アンジェリカ」は物語が生煮え、タイトルロールのキアーラ・イゾットンのソプラノは旨煮えだったけど。 修道院生活が凡庸なためアンジェリカや叔母の過去が省かれてしまった。 彼女の自殺未遂、そして子どもと再会しても急いで幕が下りる。 1時間をどこに配分するのか? 難しいわね。
「子どもと魔法」は絵本を展開したような楽しい舞台だった。 小道具・大道具の出来栄えに目がいってしまう。 ダンスも映える。 子どもが残酷な(ようにみえる)のは当たり前。 虫や花をいじめ、犬や猫をからかい、道具を壊す。 彼らが子どもを諭すのは分かるが最後は母に向かうしかない。 拍子抜けな物語だった。
前回のダブルビル「フィレンツェの悲劇」と「ジャンニ・スキッキ」の喜劇と悲劇は互いを引き立てていた。 今回は母子を結びつけようとしたのね。 前者が子供を後者は母を直接登場させなかったのは面白い。 でも母子へ向かっていくベクトルが細かった。 それは(母子の)周囲に気を使い過ぎたせいかも。 ところで今日は満席でホワイエも賑わいが戻ったし、新シーズンが無事に進んでいくのを祈りましょう。
*NNTTオペラ2023シーズン作品
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、粟國淳 ・・検索結果は3舞台.