■蝶々夫人

■作曲:ジャコモ・プッチーニ,指揮:下野竜也,演出:栗山民也,出演:中村恵理,村上公太,アンドレア・ボルギーニ他,演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
■新国立劇場・オペラパレス,2021.12.5-12
■2017年からみているが演出家や舞台美術は今回も変わりがない。 ピンカートンが日本人歌手になったところが新しい。 でも違和感はあったわね。 蝶々夫人が日本人の場合はピンカートン役は日本人以外が似合うはず。 米国との法律や宗教そして文化や生活までを比較している作品だから。
「悲劇に至る背景までを感じてほしい・・」。 中村恵理のインタビューの通りの内容になっていた。 近代日本からやってきたような衣装や小道具類、親戚や隣人、母と子そして科白などなど。 その細かいところすべて、特に男と女の関係が観客に突き刺さる。 今でも近代日本を引きずっているのがわかる。 現代にも通じるから悲劇が体感される。 涙なしでは観ていられない。
歌唱は、この劇場の特長を生かして、澄み切った空間を伝わり心の底まで届いていた。 特に蝶々夫人は言うことなし。 米国旗は物語が煮詰まってきたら降ろしたほうが良い。 これはいつもの提案よ。 そして階段を降りる場面は転びやしないかとハラハラする。 なんとかできないかしら?
*NNTTオペラ2021シーズン作品
*追記・・ピンカートン役は当初ルチアーノ・ガンチだったのね。 今ニュースをみて知った。