■廻る礎

■脚本・演出:中村ノブアキ,出演:谷仲恵輔,福田真夕,宮越麻里杏ほか,劇団:JACROW
■座高円寺,2021.114.11
■吉田茂の回顧録のような内容だった。 十数人のキャストには、鳩山一郎、片山哲、芦田均、岸信介、山口シズエ、田中角栄、園田直、池田勇人、佐藤栄作など当時の政治家がズラリと並び、吉田茂率いる自由党の活躍で新憲法を軌道に乗せるため戦後からサンフランシスコ講和条約までを描く。 特に天皇戦争責任、芦田修正、警察予備隊などの節目が印象に残る。 そして憲法護持と改正の垂れ幕が下り終幕となる。
日本の民主主義の礎を腐らしている要因は天皇・皇室の位置付けにある。 憲法改正ならば一条から八条の廃止つまり天皇・皇室を解体すべきである。 舞台でも天皇の戦争責任は通底に響いていたが政治家は触れたがらない、GHQはそれを利用したが。 八条迄と九条は表裏の関係として作られている。 九条を骨抜きにするなら八条迄を同時に廃止する。 これが改正の必要条件だろう。
初めて観る劇団だ。 客席を見渡すと・・、40代から60代男性が6割を占める。 劇団のHPをみると・・、「大人が楽しめる小劇場」とある。 舞台幅がある劇場の特徴を巧く使ってのスピーディーな展開で、途中ゆるむことなく最後まで走り切った舞台だった。