■フタマツヅキ

■演出:横山拓也,出演:モロ師岡,杉田雷麟,清水直子ほか,劇団:iaku
■シアタートラム,2021.10.28-11.7
■父子の確執が激しい芝居です。 ここまでいくのは珍しい。 その前に息子は家を出る。 この舞台も息子が家を出ることで確執が解けた。 これしか方法が無い。 確執の原因が母にあると考えたが結局は分からなかった。
舞台の時間が二重に動いていたのが見えなかった。 父の克(すぐる)がギャラリーをクビになった場面で過去と現在の両夫婦の名前が一致していることに気が付きました。 嬉しい驚きです。
この並行して進む時間が鹿野夫婦の人生を浮かび上がらせてくる。 二人の結婚から息子が離れていく間の30年という年月をです。
妻雅子(まさこ)は夫に尽くしてきたが彼はそのことに疲れ切ってしまった。 「家族とは単なる入れ物だ」「己自身が好きなように生きろ」。 どちらも疲れた言葉です。
二人の人生を初めさせ、人生を壊し、人生を再生させる要因が夫の職業(落語家)だったのも驚きでした。 職業は人生を左右させますが、主役を人生にさせる職にしたいものです。 二人は苦闘の末にこれを獲得した。 感無量です。
ところで舞台に門のような額縁が作られていた。 これは何なのでしょうか?