■アリアーヌ・ムヌーシュキン、太陽劇団の冒険  ■Me,My Mouth and I

□アリアーヌ・ムヌーシュキン,太陽劇団の冒険
■監督:カトリーヌ・ヴィルプー,出演:アリアーヌ・ムヌーシュキン他
■東京芸術劇場・プレイハウス,2021.10.6-10(フランス,2009年作)
■「金夢島」の公演は中止になってしまった。 残念です。 代替に映像4作品が上映された。 この中で「堤防の上の鼓手」は2001年9月に新国立劇場で上演、これを記念して演劇博物館で企画展「太陽劇団とオリエント」を開催したのを覚えています。 もう一度(映像だが)見たかったがスケジュールは満杯でした。 今回はドキュメンタ-「太陽劇団の冒険」のみを選択しました。
しかし劇団もムヌーシュキンもよく知らない。 この映画は団員が撮った記録映像を彼女が観ながらコメントする内容になっている。 劇中劇と同じ映画中映画の構造です。 彼女はアジアや映画にも接近し、演劇で世界を変えようとしている。 劇団員の平等で自主的な行動も深みが有る。 特異な劇団にみえます。 再びの来日を期待したいですね。
*東京芸術祭2021参加作品
□Me,My Mouth and I
■監督:ソフィー・ロビンソン,出演:ジェス・トム他
■vimeo・配信,2021.10.1-11(2018年作)
■東京芸術祭に絡めたドキュメンタリー映画をもう1本みる。 これは配信です。 出演のジェス・トムはチック症のひとつトゥレット症候群を持っている。 彼女がサミュエル・ベケットの不条理劇「わたしじゃない」を上演するまでの経緯を撮った映画です。
舞台を創るためにベケット専門家、同症を持人々、脳性マヒの演劇人、視力障害の議員、ヒップホップアーティストなどと会い上演内容を詰めていく。 そして本番をむかえる。
チック症は演劇との相性が良い。 それは制御できない身体としての言葉が舞台を激しく変容させるからです。 チック症を演技する映画作品は時々みますが、演技しない演劇は初めてです。 意識に従わない身体を取り込んだ舞台は興味が尽きません。
*東京芸術祭2021参加作品