■アントニーとクレオパトラ

■W.シェイクスピア,演出:サイモン.ゴッドウィン,出演:レイフ.ファインズ,ソフィー.オコネドー他
■シネリーブル池袋,2019.8.18-29(オリヴィエ劇場,2018.12.6収録)
■作者はエジプトやローマに行ったことが無いと言っていたわね。 アントニーがレピダスにワニを説明する場面でもそれが分かる。 でもシェイクスピアの想像力が一杯詰まっている作品だわ。
俳優表現が大袈裟なせいか言葉が明快に伝わってくる。 ナショナル・シアターが推し進めたグローバル化の成果かしら。 でも良いとは言えない。 長い科白を喋る時の役者の持続力も必要ね。 ピーター・ホールの頃が懐かしい。 その中で唯一オクティヴィアは他作品から抜け出してきたような感じだった。 彼女の登場で流れが非連続になったのは確か。 アントニーとクレオパトラの体力演技で元に戻したけど。
すべて自前だと自慢していた衣装はなるほど素晴らしかった。 クレオパトラはともかくアントニーの巾のある白いパンタロンも素敵だったわよ。 エジプトとローマの遊びと仕事の舞台仕切りも面白い。 潜水艦のデッキは現代の戦争に繋げて観てしまう。 本物の蛇がクレオパトラに噛みつく場面はおもわず息を呑んでしまった。 クレオパトラとアントニーの、周囲に揉まれながら愛を形作っていく熱演は記憶に残せる。
*NTLナショナル・シアター・ライヴ2019年作品
*映画comサイト、https://eiga.com/movie/90569/