■楽屋、流れ去るものはやがてなつかしき

■作:清水邦夫,演出:金守珍,出演:三浦伸子,渡会久美子,清水美帆子,日下由美
■下北沢.スズナリ,2019.8.8-11
■女優二人が鏡の前で化粧をし続ける変わった舞台だった。 二人とは三浦伸子と渡会久美子。 渡辺美佐子の「化粧」を二人座って演じているような形だ。 二人は売れない女優の裏話に花が咲く。 プロンプターの話も多い。 そこに売れっ子女優(日下由美)が登場し科白の練習を始めるが最初はお互いが見えない(?)。 科白はチェーホフの「かもめ」や「三人姉妹」。 化粧の二人も昔覚えた科白を喋りはじめる。 「マクベス」や「斬られの仙太(?)」も入る。 次に若い女優(清水美帆子)が枕を持って登場し、(日下由美に向かって)ニーナ役を返してもらいたいと喧嘩になる。 ・・。
化粧する二人は楽屋に住み着く幽霊らしい。 70分を化粧し続けるだけの二人を観ているのは疲れる。 日下由美の科白にもあったが、そこが淀むからだ。 この淀みを取るにはどうしたらよいのか? やはり言葉と肉体の両輪が同時稼働しないと梁山泊劇的感動は半減する。
*新宿梁山泊第66回公演
*CoRichサイト、https://stage.corich.jp/stage/101619