■鴨居玲という画家がいた

■脚本:広田淳一,衣装:串野真他,ステージング:中村恩恵,演出:シライケイタ,出演:首藤康之,シライケイタ,山口馬木也,演奏:郷古廉
■表参道.スパイラルホール,2019.8.9-10
■鴨居玲をみたのは10年も前です。 それは2010年そごう美術館「鴨居玲展」。 死が漂う衝撃の展示会でした。
今回のスタフ&キャストをみて驚きました。 なんと広田淳一が脚本を書いている。 興味ある演出家の一人です。 それと、いつもの中村恩恵・首藤康之コンビ、脂が乗っている郷古廉のヴァイオリン、何度か観ているシライケイタ、山口馬木也。
・・朗読劇のようです。 舞台4角に椅子が置いてある。 4人は歩き回り、演奏する。 曲はバッハ無伴奏から、テレマンから。 鴨居玲役は首藤康之。 縊れたような中年役が似合うようになりましたね。 坂崎乙郎との対話部分が面白かった。 シライケイタと山口馬木也の科白は解説です。 解説が多いのは鴨居玲が有名ではないから? 彼がみえなくなってしまった。
鴨居玲の人物画はとても演劇的です。 作品からみた彼の死生観はピエロのようにみえる。 仮面を被っているということです。 では自身はどうだったのか? この舞台は答えてくれない。 彼の直接の言葉をもっと入れてほしかった。 解説ではなく、もっと対話を! 天井から「スペインの娘」(1968年)がぶら下がっていました。
*CoRich、https://stage.corich.jp/stage/102001