■記憶の通り路、孤独に苛まれている老婦人には気をつけて

■作:マテイ.ヴィスニユック,演出:江原早哉香,出演:柳瀬太一,白根有子,高階ひかり他
■中野.レパートリーシアターKAZE,2019.8.10-12
■オムニバスってとても好きなのよ。 物語の一つ一つは非連続だけど少しずつまとまっていくところがね。 まとまった何モノかは舞台上に居るような居ないようなところがある。 非連続を想像力で繋げるからよ。
ヨーロッパのどこかの街の海岸表通りから裏通りを歩いて再び表通りに戻ってきたようなストーリーだった。 街の遊歩者になった感じかしら。 そして水を張った床の効果が素晴らしい。 大潮の海に反射する光は別格ね。 また水を意識しないで演技をする場面も不思議な感じがでていた。 たとえば「傷」などに。 女優たちの棒読みのような喋りも詩的作品に合っていた。
反射する光を見ながら太田省吾の「水の休日」を思い出してしまったの。 この作品も水を張り卓袱台や座布団を置いて役者は水を意識しない演技をしていく。 置いた鞄を持ち上げると中に溜まった水が滴れ落ち、水面が揺れ強い光で乱反射する場面は忘れられない。
今日の舞台は想像や記憶が入り混じって当に「記憶の通り路」だった。
*東京演劇集団風第97回公演(レパートリー作品)
*CoRichサイト、https://stage.corich.jp/stage/101958
*「このブログを検索」に入れる語句は、 江原早哉香