■工場

■脚本・演出:堀川炎,出演:石川彰子,中藤奨,堀川炎ほか,劇団:世田谷シルク
■こまばアゴラ劇場,2019.8.13-18
■会社の事務室が舞台のようです。 それも工場らしい。 ストーリーは日常業務に沿って展開していく。 ラジオ体操や朝礼、企業理念唱和、節電・消灯、掃除。 防災訓練から始末書の書き方まで登場するとは・・。 20世紀高成長時代の日本にも見える。 これだけの作業を並べて、作者も経験があるのでしょうか?
ここに外国人が入社してくる。 彼は不都合な業務規則に違和感を持ちます。 それは日本人の生き方にまで疑問を持つ。 時代が現代まで下りましたね。
この劇団は初めてです。 舞台の雰囲気が変わっている。 静かな演劇に入りますがどこか緊張感が漂っている。 科白が短い為それだけリアルに近づけるのかもしれない。 日常業務の行動に付随する言葉は短いですから。 それと役者が周囲を見つめる時の眼差しが効いています。 目付き鋭い。 観客を飽きさせない工夫が随所にみられる。 終幕の狂ったように踊りだすのもオチとしては申し分ない。 面白く観ることができました。
アフタートークがありました。 出席は堀川炎、宇吹萌(うすいめい)。 前作「春夏秋冬」と違いセリフ劇として今回は押し出しているようです。 宇吹は机の白だとか電灯などの美術も誉めていました。 そう、悪くはありません。 それと堀川自身のダンスもよかった、5秒くらいでしたが。 彼女の役者登場は久しぶりとのこと。 と言うのは平田オリザや宮城聰が良い顔をしないらしい。 その理由は聞き漏らしてしまった。 ところで全員がタブレット端末を持っているフリをしていたが分かり難い操作でしたね。 宇吹のこの秋のスズナリ公演作品を紹介して終わりました。
*青年団リンク公演
*CoRichサイト、https://stage.corich.jp/stage/101012