■ピルグリム2019

■作・演出:鴻上尚史,出演:秋元龍太朗,伊藤今人,劇団:虚構の劇団
■シアターサンモール,2019.2.22-3.10
■演出家挨拶文に初演は30年前と書いてあります。 「第三舞台」全盛期頃の作品ですね。 同時に劇団組織に歪みが生じてくる頃でしょう。 当時はオウム真理教やソビエト崩壊のニュースも活発化していた。 これらを素材として作られたようにもみえる。 組織としてのユートピアは可能なのか?と
・・主人公の売れない作家が長編小説を書くことになった。 舞台はその作品が描かれていく劇中劇で、3人のピルグリム=巡礼者がユートピアを求めて旅をする物語です。 そして行きついた先は過去に作家が作った桃源郷「天使の家」だった・・。
ユートピアを含めデストピア、アジール、オアシスそして組織内での生贄や犠牲など硬い言葉が多い。 その言葉を展開していくのでストーリーは思った以上に保守的です。 手垢の付いたユートピアを論じることが古臭くみえる。 でもオアシスでは小粒すぎる。
そこは「虚構の劇団」です。 ダンスや衣装の華やかさ、照明に映える小道具、巧みな話術、飽きの来ない物語細部と練れた修飾など舞台に見惚れてしまいますね。 そしてインターネット時代の結ばれるようで結ばれない人間関係が新しいオアシスを求めているのでしょう。
*虚構の劇団第14回公演
*劇団サイト、http://kyokou.thirdstage.com/
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