■隣にいても一人  ■思い出せない夢のいくつか

■こまばアゴラ劇場,2019.2.15-3.11
□隣にいても一人
■作・演出:平田オリザ,出演:根本江理,太田宏,福田倫子,伊藤毅
■ツマラナイかな?と観ていたが大違い。 ずんずん面白くなっていくの。 登場は兄弟一組と姉妹一組の4人。
「兄」と「姉」は夫婦として破局、「弟」と「妹」はいま結婚したばかり? 卓袱台を囲む弟と妹、弟と妹と兄、兄と弟、兄と姉、・・。 流れがとてもリズミカルね。
「結婚とは何か?」が議論の中心よ。 どうすれば結婚したことになるのか? パジャマを着る、初夜を向かえる、結婚届を出す、親への報告など話題になるがはっきりしない。 「(二人で)必要な時に必要な事をやる」。 弟の考えが微かに見える。 緩やかな結婚観はこれからは必要ね。 でも結婚や離婚ができる条件はやはり共に職を持つことだと舞台を観ながらつくづく思う。 でないと対等な話ができない。 医学部入試など社会での公正な流れを加速させたいところ。
この芝居は平田オリザのベスト5に入れても良いと思う。 それだけ形ができていた。 そして結婚について大事な何かを考えさせられる時間が舞台に在ったから。 それともっと抽象化を進めてもいいんじゃない? 卓袱台と座布団だけあればよい。 背景の本棚などは不要ね。
□思い出せない夢のいくつか
■作・演出:平田オリザ,出演:浜藤公美,大竹直,藤松祥子
■場内に入ると舞台には列車のクロスシートと窓が一組、凝った電灯をみてこれは銀河鉄道だと直感したの。 登場人物は3人。 方向性の見えない対話が続くの。 時折長い沈黙が入る。 この沈黙が曲者ね。 身体的存在表現ではなくて言葉の不在を表している。 この劇団とは異質な沈黙にみえる。 これがタイトルの夢に繋がるのかな。 今ブログを書きながら科白の繋がりが組み立てられないからよ。
*平田オリザ演劇展vol.6
*劇団サイト、http://www.komaba-agora.com/play/6533