■POISON リ・クリエイション

■演出:平山素子,出演:河内大和,竹中梓,宮河愛一郎,中川賢,四戸由香,平山素子
■世田谷パブリックシアター,2019.3.22-24
■「シェイクスピアが残した言葉や劇世界をモチーフに、・・演劇的要素の高いダンス作品」とチラシにある。 カクシンハンの河内大和が出演するのも気にかかる。
舞台が始まり・・、演劇の言葉を振付として、マイムとして、そのまま科白として組み入れている。 「・・tobe or nottobe」は兎も角、シェイクスピアと言われなければ分からない内容だ。 さすが振付は切れ味が良い。 とくに前半に時間を割いたパ・ド・ドゥは集中できた。 それと終幕での6人の群舞は見応えがあった。 河内大和は最早ダンサーだった!  
演劇との関係にモヤモヤ感が残ったのでアフタトークを聞くことにした。 河内大和は演劇もダンスも違いを感じないと言っている。 演劇にダンスを取り込むのは容易といえる。 意味の薄いダンスを演劇は従わせることができるから。 彼は演劇人として発言したのだろう。 逆にダンスに演劇を取り込むのは厄介だ。 いつもそう思う。 今回も演出家は逃げてしまった。 シェイクスピアを具体よりも抽象として表現していたからである。 言葉は具体へ向かう。 でもダンスは意味から逃げたい。 演出家の気持ちが分かる。 トークには美術の乗峯雅寛も出席したが平山素子得意の敷物の使い方を心得ていた。 suzukitakayukiの衣装も演劇場面は凝っていて見応えがあった。 照明と、特に音楽は演劇に一番近かったように思う。
*館サイト、https://setagaya-pt.jp/performances/20181122-61326.html