■タンホイザー

■作曲:R.ワーグナー,指揮:アッシャー.フィッシュ,演出:ハンス.ペーター.レーマン,美術:オラフ.ツォンベック,出演:妻屋秀和,トルステン.ケール,リエネ.キンチャ他
■新国立劇場.オペラパレス,2019.1.27-2.9
■雪ならキャンセルと決めていたけど降らなかった。 ラッキー! ・・水晶宮のような冷たさの有る舞台はこの劇場らしい美術だわ。 ヴェーヌスベルクには合うけどヴァルトブルクはどうかしら? 日本語字幕は緻密で硬さが前面に出ていた。 ドイツ系はこれでないとだめ。 ゲーテやトーマス・マンを読むときは特に翻訳者を意識するのと同じよ。
タンホイザー役トルステン・ケールの落葉広葉樹林の乾いた木々を感じさせる歌唱は聴いた覚えがある。 調べたら「死の都」・・、2つの作品はどこか通じている。 でも彼の動作は日常性が目立ち過ぎる。 身体そのものの存在感を出してほしい。 演出家のタンホイザー像かしら? 此処一番はエリーザベト役リエネ・キンチャかな。 彼女の歌唱と役柄が見事に一致して物語に吸い込まれてしまった。
MET「タンホイザー」のような劇的さが無かったのはNNTTの智的さが出過ぎたからだと思う。 まっ、これも悪くない。 観たあとのカタルシスはいつもの通り「ワーグナー最高!」よ。
*NNTTオペラ2018シーズン作品
*劇場サイト、https://www.nntt.jac.go.jp/opera/tannhauser/