■アルルの女  ■ベートーヴェン交響曲第九番

■Bunkamura.オーチャードホール,2019.1.31-2.3
□アルルの女
■振付:ローラン.プティ,指揮:井田勝大,出演:益子倭,毛利実沙子,Kバレエ.カンパニー,演奏:シアター.オーケストラ.トーキョー
■舞台背景の農村風景や天井はP・ゴーギャン風で簡素に描かれている。 女性ダンサー衣装は質素な女学生の制服にみえる。 男性も似たような衣装。 振付や動きも地方農村で開催するフォークダンスのようだわ。 安っぽいけど長閑な雰囲気がいいわね。
後半はゴーギャンからR・マグリット風窓絵に替わったけどサッパリし過ぎかしら。 フレデリは小粒だけどヴィヴェットとお似合いよ。 でも終幕は息切れをしていた(ようにみえた)から力をつけなきゃ。
この作品は<アルルの女>がどういう女であるか良く分からない。 「カルメン」の影に隠れてしまう理由かも。 それと音楽の優位性もある。 その演奏は次第に上げ調子になり物語を牽引していた。 
□ベートーヴェン交響曲第九番
■振付:熊川哲也,指揮:井田勝大,出演:熊川哲也,Kバレエ.カンパニー,歌唱:幸田浩子,山本耕平,諸田広美,坂本伸司,藤原歌劇団合唱部,演奏:シアター.オーケストラ.トーキョー
■第一楽章「大地の叫び」と第二楽章「海からの創世」は対になっているの。 それは男性ダンサーの激しさと女性ダンサーの穏やかさ、赤と青の色調・・、それよりも手の先までを見せびらかし身体全てがウキウキするような振付は楽しい。 ベートーヴェンと共振してミニマム世界に没入できる。 そして第三楽章「生命の誕生」は3組のデュオが生命を感じさせる動きで前2章と対にしている。 このネストを含めた構成と内容はシンフォニック・バレエとして完璧で言うことなし。 次の第四楽章「母なる星」はちょっと硬い。 合唱団数十名を舞台に登場させたので動きが取れなくなったのね。 体育会系のようなダンスになってしまった。 でも合唱付きを聴けるとは幸せ。 そして熊川哲也も登場して<鋼鉄の仕上がり>をみせてくれた。
*劇場、http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/franchise/20190131.html