■僕らの力で世界があと何回救えたか

■脚本.演出:高羽彩,出演:大久保祥太郎,斉藤マッチュ,松澤傑ほか,タカハ劇団
■下北沢.小劇場B1,2019.2.8-14
■インターネット時代にアマチュア無線部を登場させるとは驚きました。 舞台が進むとその理由が分かってきます。 無線は<声>がすべてだからです。 ラジオと違って双方向でもある。 <声>は想像力を膨らませる。 しかもスマホ→パソコン→マイコン組立→アマチュア無線局開設→ラジオ制作という20世紀後半の中高生オタク派にまで遡っていくことができる。 エレキ系硬派オタク史の重みがあります。
高校の無線部リョウタの素粒子研究施設反対運動を遡っていくストーリーは面白い。 施設がブラックホールを研究していること、それがマンデラ・エフェクト現象を引き起こしていることなど緊張が途切れない。
しかしSFの強力な混在で結末が分解してしまった。 リョウタを見失ってしまいました。 社会問題にもう一歩踏み込まなかったからでしょう。 その意味で「・・置き去りにされたのは僕らだったのかもしれない」と言えます。
役者達の演技に力強さがありました。 場面ごとの事象・事件・キャラクターに味が出ていた。 一つ一つの場面の緊張感を楽しむのがこの芝居の観方でしょう。
*タカハ劇団第15回公演
*CoRichサイト、https://stage.corich.jp/stage/96836