■マクガワン・トリロジー

■作:シェーマス.スキャンロン,翻訳:浦辺千鶴,演出:小川絵梨子,出演:松坂桃李,浜中文一,趣里,小柳心,谷田歩,高橋恵子
■DDD青山クロスシアター,2019.2.12-15(世田谷パブリックシアター?,2018年収録)
■昨年見逃してしまった一本です。 渋谷で上映していたので行ってきました。
アイルランド共和軍IRA所属ヴィクター・マクガワンがベルファストのバーで仲間を拷問しようとする場面から1幕は始まる。 主人公ヴィクターのテンションの高さが目立ちます。 そして拷問や死刑が軍法から外れているにも関わらずヴィクターは仲間たちを殺していく・・。
二幕はヴィクターが一人の女性を射殺する話です。 彼の旧友である女性の拘束理由は最初分からなかったが英軍兵士を助けた為らしい。 ヴィクターからみると規則違反とのこと。 一幕の彼の科白とは逆ですね。 これから一幕より時間が遡っているように見える。 この場に及んでの彼女の文学的科白の違和感が気になります。
そして三幕は病院?の一室に変わる。 主人公の母の部屋らしい。 そこへヴィクターが追われてくる。 二人は昔話をするが噛み合わない。 最後にヴィクターは母に睡眠薬を飲ませ殺してしまう。 この3幕は時系列的に1幕と2幕の間の出来事とみました。 彼は母と出会ったため狂暴になって1幕を向かえるのでしょうか? 
主人公の興奮度に高低差があるのは混乱します。 第二幕が始まったときに編集ミスではないかと思ってしまったくらいです。 しかも役者たちはいかにも芝居をしているような動きと喋りです。 アイルランド軍の現在意義、軍の裏側、組織内暴力が身体的に理解できない。 スタッフ・キャストは何とかしなければと藻掻いているようにもみえます。 あくまでも新鮮さが第一の作品ですね。
*作品サイト、http://www.mcgowantrilogy.com/